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久米 民和
ASEAN Workshop on Food Irradiation, p.78 - 89, 1986/00
士幌馬鈴薯照射施設の建設および運転の経験について経済性および技術的な観点から考察した。実用化成功の技術的な要因としては、次の3つが考えられた。1)食品照射研究がナショナル・プロジェクトとして取上げられ、政府が建設資金の一部まで補助したこと。2)馬鈴薯の大量貯蔵、流通に長年の経験を有する士幌農協の存在。3)実際に流通、貯蔵に利用されている大型コンテナを用いてモックアップテストを原研で行ったこと。 経済性の面からは以下の点について述べた。照射プラントの建設費は約4億円であり、年間の平均処理量は15000トン程度であることから照射コストは2.1~4.6円/Kgであった。この値は馬鈴薯の流通価格の2~3%程度であり十分経済的に成り立つ範囲であった。高崎研究所のコンベアシステムのような小型施設の方がはるかに効率が良いが、士幌の成功は流通システムの中に完全に組み込まれた点にあると結論された。
青木 章平; 久米 民和; 川嶋 浩二*
食品総合研究所研究報告, 43, p.90 - 93, 1983/00
放射線処理によるタマネギ鱗葉表皮の剥離性の変化を測定し、適正線量の検定、あるいは照射処理の検出への応用の可能性について検討した。照射直後の鱗葉表皮の剥離性は5~10kred照射では非照射と大差なく、30kred以上では著しく増大した。5~10kred照射したタマネギを常温貯蔵した後、10kredの追加照射を行うと鱗葉表皮の剥離性が著しく増大した。非照射のものに同様の追加照射を行っても剥離性はさほど増大せず、また低温貯蔵しておいたタマネギに10kradの照射を行っても剥離性の増大は認められなかった。この照射処理によるタマネギの鱗葉表皮の剥離性の増大は、鱗葉表皮と多肉組織との間の中間組織が照射によって破壊されたことに起因すると考えられた。以上の結果、発芽防止を目的として照射されたタマネギは鱗葉表皮の剥離性の変化を用いて、低温貯蔵したタマネギとの区別に応用できるものと考えられた。
久米 民和; 橘 宏行; 武久 正昭
JAERI-M 82-100, 16 Pages, 1982/08
玉ネギの発芽防止線量20Gy(2krad)程度の低線量域におけるFrike線量計の精度を検討するともに、水の精製度の影響について検討した。40Gy以下の線量域での誤差は0.5%より大きくなったが、15.5Gyといった低線量でも2%を越えることはなかった。水の精製度の影響を検討した結果、水道水、一回蒸留水は3回精製水に比べ測定精度が悪かった。一方、Mill-Q水は3回精製水と同程度あるいはそれ以上の精度が得られ、Fricke線量測定に十分使用できることが判明した。Mill-Q水は3回精製水に比べ容易に調整でき、Fricke線量測定の簡略化に利用できた。また、馬鈴薯の発芽防止の実用照射を行っている士幌農農協の照射施設との間で相互比較を行い、比較的よく一致した結果がえら得た。この結果、Fricke線量計を各施設の線量相互比較のために用いることが可能であると考えられた。
久米 民和; 橘 宏行; 武久 正昭
Radioisotopes, 30(10), p.560 - 562, 1981/00
通常のFricke線量計の測定限界は40Gy(4krad)とされているが、玉ネギの発芽防止必要最低線量は20Gyであるので、この低線量域におけるFricke線量計の精度について検討した。40Gy以上での測定精度0.5%以内に対し、それ以下の線量では誤差が多少増大したが、15.5Gyの低線量でも2%以内であった。長吸収セル(5cm)を用いれば11Gyの低線量域でも0.6%以内の精度で測定可能であったが、通常の1cmセルでも2%以内の精度で十分発芽防止のための低線量測定が可能であることが判った。水の精製度の影響を検討した場合、水道水、通常の蒸留水は3回精製水に比べ測定精度が悪くなった。しかし、Milli-Q水は3回精製水の場合と同程度の精度が得られ、十分Fricke線量測定に使用できることが判明した。また、馬鈴薯の発芽防止の実用照射を行っている士幌農協の照射施設との間で相互比較を行ったところ比較的良く一致した結果が得られ、Fricke線量計を相互比較のために用いることが可能であると考えられた。
久米 民和; 橘 宏行; 青木 章平; 梅田 圭司*; 佐藤 友太郎*
日本食品工業学会誌, 24(1), p.37 - 40, 1977/01
実用規模で大量のタマネギを線照射処理する際に必要となる発芽防止必要最低線量および線量率効果の有無について検討した。試料としては「札幌黄」を用い、吸収線量のバラツキを抑えた状態(2%程度)で照射し、照射後室温で収穫後8か月までの貯蔵実験を行なった。2~5krad照射区では顕著な発芽防止効果が認められたのに対し、0.5および1krad照射では不十分な抑制効果しか認められなかったことから、発芽防止必要最低線量は2kradであると考えられた。また、実用照射時に使用可能であると考えられる510~110rad/hrの線量率範囲では、線量率が異なっても発芽率に顕著な差は認められず、線量率効果はほとんどないと考えられた。
久米 民和; 橘 宏行; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
JAERI-M 6408, 9 Pages, 1976/02
線照射による馬鈴薯の発芽防止必要最低線量および実用照射で使用可能と考えられる線量率範囲における線量率効果の有無について、北海道士幌産の「男爵」種を用いて検討した。48年産試料について4~7kradの照射を行ない、照射後6か月間(収穫後約8か月)貯蔵した。室温貯蔵(1~24C)の場合、4~5kradでは腐敗粒を除く全ての試料に発芽が認められたが、6kradおよび7kradではほとんど発芽は認められなかった。4Cで6か月間貯蔵後とほぼ同じ結果が得られた。これらのことから馬鈴薯の発芽防止に必要な最低線量は6kradであると考えられた。48年産および49年産試料について、510~110rad/hrの線量率を用いて5~7krad照射して貯蔵試験を行なった結果、線量率相異による発芽率に大きな差は認められず、この線量率範囲でにおける線量率効果はほとんどないと考えられた。
佐藤 友太郎*; 青木 章平
放射線と産業, (1), p.10 - 15, 1976/01
放射線による馬鈴薯の発芽防止について、士幌照射施設創業開始までの経緯,施設の概要および照射実績などを中心に紹介した。実用化成功の理由としては、第1に馬鈴薯の発芽防止を端緒として生鮮農産物の流通利用面の安定化をはかろうという農政の目標の一つに合致したため農林省その他の援助が得られたこと。第2に実用化までの研究が食品照射特定総合研究として各分野の研究機関の緊密な協力の下に推進されたため比較的短期間のうちに必要なデーターが蓄積されたこと。第3に照射の位置づけを生産,貯蔵,輸送,販売,消費という一連の流通過程に関係づけて考えたことなどが挙げられる。産業面からみた今後の課題としては馬鈴薯照射時期以外のアイドルタイムをいかに利用したらよいかという問題が残されている。
亀山 研二; 高野 博幸*; 梅田 圭司*; 青木 章平
日本食品工業学会誌, 22(9), p.454 - 457, 1975/09
放射線によるタマネギの発芽防止研究が進められており、近い将来馬鈴薯についで許可となり、実用プラントの設計が行なわれると期待される。そこで士幌馬鈴薯照射施設により、実用化のための参考データを得るため、大型コンテナでタマネギを照射した場合について線量分布を測定し、線量均一度,必要線源量,照射処理能力等について検討した。両面照射した場合の線量均一度は線源とコンテナとの距離3.5mで2.70,4.5mで2.34,5.5mで2.19であった。タマネギの許可最高線量を10krad,最低必要線量を3kradとすれば線量均一度は3.3となるので上記いずれの場合でもこの範囲内での照射ができることとなる。また、線源とコンテナとの距離5.5mという現在のコンベアを用いた場合について計算した結果、月1万トンのタマネギを処理するにはCo 174kCiを必要とすることがわかった。
高野 博幸*; 青木 章平; 梅田 圭司*; 佐藤 友太郎*
日本食品工業学会誌, 21(6), p.273 - 279, 1974/06
タマネギ「札幌黄」の発芽防止のためには収穫後乾燥したものについて収穫後1ヵ月以内に照射(3~15krad)するのが適用とされている。実用化の場合、このような短期間に大量処理することは困難となるので、照射期間の延長をはかるため、収穫後約2週間の乾燥期間中に照射した場合の効果および低温貯蔵との併用による照射期間の延長についても検討した。また、照射後貯蔵中の内芽の褐変防止についても検討した。(1)乾燥前または乾燥途中における照射でも3~7kradで発芽防止効果は顕著である。(2)内芽が5~6cm以上伸長すると照射による発芽防止は不可能となるが、収穫後3~5Cに貯蔵すれば、約3ヵ月間は内芽の伸長を2~3cm程度に抑えることができ、この間に3~7krad照射すればその後の発芽を防止することができる。(3)照射後の内芽の褐変化は3~5C貯蔵により少なくとも8ヵ月間は防止できる。
久米 民和; 橘 宏行; 菊地 孝行; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
食品照射, 9(1-2), p.86 - 87, 1974/02
ジャガイモの発芽防止を目的とした実用規模の照射装置を設計するための基礎として、大型コンテナ(内法100160130cm)にジャガイモを詰めてo-線照射したときの吸収線量分布を鉄線量計を用いて測定した。この結果、線源とコンテナ間の距離を205cmおよび398cmとしたときのコンテナ中心線上奥行方向の最大・最小吸収線量の比はそれぞれ3.0、2.5であった。ジャガイモの発芽防止に必要な最小線量を6,000radとしたとき、許可線量15,000radとの比は2.5となるので、このコンテナを用いて照射を行なう場合、最大・最小吸収線量の比を2.5位以内にするためには、線源とコンテナとの距離を少なくとも4m以上離さなければならないであろうという結論を得た。
久米 民和; 橘 宏行; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
日本食品工業学会誌, 20(10), p.492 - 494, 1973/10
ジャガイモの発芽防止を目的とした実用規模の照射装置を設計するための基礎として、大型コンテナ(内法100160130cm)にジャガイモを詰めてCo-線を照射したときの吸収線量分布を鉄線量計を用いて測定した。この結果、線源とコンテナ間の距離を205cmおよび398cmとしたときのコンテナ中心線上奥行方向の最大・最小吸収線量の比はそれぞれ3.00,2.47であった。ジャガイモの発芽防止に必要な最小線量を6000radとしたとき、許可線量15000radとの比は2.50となるので、このコンテナを用いて照射を行なう場合、最大・最小吸収線量の比を2.50以内にするためには、線源とコンテナとの距離を少なくとも4m離さなければならないであろうという結論を得た。